開放型に限らず、ヘッドホン全般の性能やスペックの見方に関する解説記事です。
インピーダンスや能率について、最大入力や再生周波数帯域などの、様々なスペックの読み方や考え方についてわかりやすく紹介しています。
カタログなどに表記されている仕様や諸元などのスペックや、性能を評価する様々な事柄について最低限でも意味を理解しておくことで、その製品のより本質的な性能が分かります。
ヘッドホンを選ぶときや比較するときに知っておきたい事柄だと思うので、ぜひ、参考にしてもらえたらうれしいです。
インピーダンスについて
ヘッドホンのインピーダンス(抵抗値)とは、交流の電気の流れにくさを表した数値で、Ω(オーム)記号で表記され、音量の取りやすさや音の鮮明さにかかわってきます。
ヘッドホンで一般的に多いのが、8Ω~600Ωほどの製品で、数字が大きくなるほど抵抗値が増え、高いインピーダンスの製品は、低いインピーダンスの製品と同じ音量を得るためには、より多くの電力が必要になります。
高いインピーダンスのヘッドホンの特徴は、音量の取りにくさと引き換えに、音の歪が少なく、大入力に耐えられる耐久性を持っているため、スタジオなどで使われるモニターヘッドホンなどに多く採用されています。
一方、低いインピーダンスのヘッドホンの場合、少ない電力で大きい音が出せるため、スマホやパソコンなどのパーソナルな環境で使いやすい特徴があります。
それぞれの一般的な音質的特徴は、高いインピーダンスのヘッドホンは高域の再生能力が高く、伸びやかな音質が特徴で、低いインピーダンスのヘッドホンは、低域に力強さがあり、ダイナミックなサウンドが特徴です。
スマホやパソコンなどに気軽につないで使いたい方には、低いインピーダンス(50Ω以下)のヘッドホンが適しており、音楽制作やスタジオなどでの使用や、専用のヘッドホンアンプが用意できる環境では、高いインピーダンス(100Ω以上)のヘッドホンの使用が適しています。
ただ、それぞれのヘッドホンの音質はインピーダンスだけで決まるものではないので、あくまでも参考にしながら、固有の音質で選んでみてください。
能率(感度・出力音圧レベル)について

ヘッドホンの能率(感度・出力音圧レベル)とは、1mWの電力を流したときの再生音の強さ(音圧レベル)を表す指標で、dB(デシベル)/mWの単位であらわされます。
この数値が大きいヘッドホンほど、同一のボリュームで大きな音量を得ることができるため、スマホやPCなどでも十分な音量が確保できます。
dB(デシベル)は3dB違うとイヤホンから出る音量は2倍になるので、製品ごとによって大きな音量の差を感じます。一般的なヘッドホンでは、95dB~105dB/mWほどの製品が多く、自分の使い方に応じた能率の製品を選ぶ必要があります。
また、インピーダンスとも相関関係があるので、両方の特性を加味して選びましょう。
一般的には、能率が高いヘッドホンは、スマホやPCなどのパワーがない機器でも十分な音量が取れるため、気軽に使うことができますが、ノイズが乗りやすい欠点があるので注意が必要です。
逆に、能率が低いヘッドホンは、専用のパワーがあるアンプを使わないと十分な音量をとることができない場合がありますが、繊細な音の表現性に優れた製品が多い特徴があります。
最大入力について
ヘッドホンの最大入力とは、ヘッドホンの音質の劣化や故障したりすることなく、瞬間的に流しても大丈夫な最大電力を表す数値で、単位はmWで表記します。
一般的なリスニングヘッドホンでは500mW前後まで、モニターヘッドホンでは3,000mW前後までに設定されていることが多く、数値が高いほど音質が良くなるというわけではなく、あくまでも、入力に対する許容範囲を表す数値です。
スマホやPCなどでの一般的な使い方では、最大値に近づくようなことはほぼないため、あまり神経質になる必要はないです。
それぞれのヘッドホンには、入力の最大値があるということを知っておけば十分だと思います。
再生周波数帯域について

ヘッドホンの再生周波数帯域とは、ヘッドホンが再生できる周波数の低域から高域までの音の幅を表したもので、一般的に、人間の可聴域である20~20,000Hz(ヘルツ)の値を数値化して表します。
周波数とは、一秒間にどれだけ空気が振動したかを表す数値で、100回の振動なら100Hzになり、数値が低いほど低い音、数値が高いほど高い音になります。
20Hz以下の超低音域から、ベースなどの帯域である20Hz〜250Hz、人間の声の帯域の250Hz〜4kHz、シンバルなどの帯域の4kHz〜20kHz、超高域の20kHz以上と、それぞれの帯域がどのくらい聞こえているのかを知ることができます。
また、よく誤解されがちなのが「再生帯域が広いほど音質が良い」という誤解で、人間の可聴域には限界があるため、帯域の広さは音質の良さとは直接関係がありません。ただ、空気感の再現などではメリットになる場合もあります。
それよりも、どの帯域がよく聞こえて、どの帯域が聞こえにくいかの周波数の特性が、そのヘッドホンの音質的な個性になります。
さらに、最近では、再生周波数帯域の上限を40,000Hz以上にしたハイレゾ対応ヘッドホンもあります。
まとめ

開放型に限らず、すべてのヘッドホンを選ぶうえで知っておきたい性能やスペックの見方について書いてみました。
インピーダンスや能率などは、電気の知識がないとなかなわかりずらい部分で、数値を見ても、はじめのうちはピンとこない感覚がありました。
ただ、複数のヘッドホンを聴き比べていくうちに、インピーダンスの差による使い勝手の違いや、わずかながらも音質的傾向の違い(インピーダンスの高いものの方が繊細な音に感じる)などが分かってきて、ヘッドホン選びの重要なファクターになりました。
また、再生周波数帯域についても、人間の耳が、最も違いを感じ取れる変化が音量であり、次に周波数特性(一定の入力に対する帯域ごとの音量をグラフ化した数値)と言われており、再生周波数帯域の広さや質が音質にも大きくかかわってくることが分かりました。
ぜひ、この記事も参考にしながらスペックの読み方を理解して、ヘッドホン選びの土台にしてみてください